当院の特徴
当院の認知症治療
当院では、前述しました「周辺症状」の改善に取り組んでおります。
まず、院長独自の分類方法によって、周辺症状を3期に分けます。
険しい表情で時に危険行為が見られる 「混乱期」
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被害妄想(盗まれる・意地悪される)
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多動・不穏・興奮(じっとしていない)
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ベッド・車いすからの転倒・転落
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意思の疎通がとれない(せん妄)
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幻覚・妄想(虫がいる・お化け)
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昼夜逆転・不眠
周りの気を引こうとしたり甘えたりする 「依存期」
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同じ訴えを繰り返す
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暴言・暴力
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怒りっぽい・すぐかっとなる
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人を呼ぶ・もの音をたてる
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淋しがる・悲しがる
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すぐ泣く
妄想の世界に浸り表情は穏やかになる 「昼夢期」
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独り言を言っている(誰かと話す)
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一人遊びをしている
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スタッフと家族を間違える
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病室を自分の家だと思う
そして、それぞれの特徴に合わせたケア・処方をすることで周辺症状を改善することができるのです。
認知症周辺症状の3期分類とその治療法
混乱期 | 依存期 | 昼夢期 | |
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見極め方 | 患者様の顔付き、形相に変化が表れます。眉間にしわを寄せ、険しく困ったように見えます。 | 自分に注目が集まる事をします。声を出したり、音をたてたりして人が来るまで呼び続けます。 | 穏やかな顔付きになり、笑顔が見られるようになります。また、挨拶もしてくれます。 |
状態の説明 | 周りとのコンタクトが取りにくくなり、危害を加えられるのではないかと感じています。何を言っても聞き入れられず、会話も成立しない事が多くあります。 夜間せん妄や危険行為が見られます。 |
静かになると騒ぎ出します。過度の依存心と甘えがあり、声を出したり、音をたてたりして自分に注目が集まることをします。逆に、大勢の中にいると、精神的に落ち着き、依存的訴えも少なくなります。 | 元気がなくなったように見えます。死んだ母親を探したり、昔自分の家にあったものを持ってきてと言ったりします。時間の概念がなく、表情は穏やかで笑顔も見られるようになります。 |
基本的対処法 | 安心感を与えてあげることが大切です。 | 一人にしないように努めます。 | ご本人の好きなように生活をさせてあげます。 |
介護方法 | むやみに身体に触れず、必要な介護はしっかり行い、不必要な介入は控えます。神経過敏になっているので、暴れるからといって抑制をすれば、ますます脅威を感じて暴れ続けてしまいます。ただ、周囲から危険物を取り除いておく必要はあります。また、介護者は前から立ちはだかるのではなく、横や後ろから介助をします。部屋は明るいままにし、リクラゼーション音楽などをかけると効果的です。 | 人が見えるところ、声が届くところにお連れします。執着心が強くしつこくなり、同じ話を繰り返すこともありますが、無視をせずに根気よく聞くことが大切です。 | 自分で作った夢や妄想の世界にいたいので、否定をしたり壊したりしないことが大切です。患者様のお話に対して、頷きながら聞き入れてあげます。 |
薬物療法 | 少量・微量の抗精神病薬が有効です。 | 少量・微量の抗てんかん薬が有効です。 | 原則、薬は使いません。 |